2019年06月09日

西大寺ハボ12 - 輪軸改軌

キハ1の車体へは行かずに、客車に手を付けました。

20190609a.jpg
金属車軸プラ車輪の輪軸が入っています。台車はロストですね。

20190609b.jpg
車軸径を測ってみます。1.5mmですね。改軌は内径1.5mmパイプを使ってゲージを拡げ10.5mmゲージにします。

20190609c.jpg
バックゲージ7.4mmです。真ん中あたりで切ってパイプ車軸でつなぎます。

20190609d.jpg
旋盤ないのでドレメルを動員して糸鋸で切ってヤスリ仕上げです。NMRA Standard HOn3 のバックゲージB=8.89mmですが、+側0.05mmまでOKなので、8.9mmを目指して内径1.52mm外径2mmパイプを切断します。

20190609e.jpg
ドレメルにくわえてヤスリで少しずつ調整。8.9mm長さのパイプを4本つくりました。

20190609f.jpg
無精して手近のニッパで車軸を切りましたが、刃が欠けなくて良かった。糸鋸で切った方が安心です。パイプの穴は接着剤用。

20190609g.jpg
車軸をパイプに入れて瞬間接着剤を少量付けておきました。

20190609h.jpg
HOn2.5→HOn3改軌で輪軸のデータは、
N=2.1mm
D=0.75mm  フランジが高いです。Dmax0.58mmを超えてます。
B=8.9mm
T=0.5mm
K=9.4mm
フランジ外径7.2mm
車輪径5.7mm
20190609k.jpg
コロガリ状況はボギー台車に組み込んでみないとわからないですが、台車枕梁も拡げる必要があるので、ちょっと手間がかかりそうです。

続きを読む
2019年06月09日 23:00 | コメント(0) | 1/87・10.5mm

2019年06月08日

西大寺キハ1 - 改軌よし

競作課題の西大寺鉄道キハ1続きです。

20190608a.jpg
車輪座、モーターベースをトビカトップガードで塗りました。対象物と缶スプレーが近いですが、撮影のためだけです。

20190608b.jpg
トビカ塗り終わって乾燥も終わりました。

20190608c.jpg
さて、動力系を組み立てますが、順序が良くわかりません。組説には「各ギヤを取り付けます。」なのでどれでも良さそうですが、そうはいきません。組説には全体組図はあるのですが、ギヤ組み入れの順序の指示はありません。試しに大ギヤを組んでみましたが、その内側に小ギヤが入り込むようです。モーターにウォームギヤをつけてしまいましたが、台枠を組み立てて輪軸圧入をしてから取り付けるようです。

20190608d.jpg
なのでバラして小ギヤパーツを確認。

20190608e.jpg
左側のモーターベースとモーターと車輪座を組んでしまうのは間違いです。

20190608f.jpg
改軌用ワッシャを確認すると、0.5mm厚のが4枚しかありません。飛ばさないようにしないと。

20190608g.jpg
ギヤを取り付けた車輪座をアンダーフレームに取り付けました。モーターは一旦はずします。

20190608h.jpg
ギヤのない車輪座をアンダーフレームにとめて、モーターベースも共締めします。

20190608k.jpg
アンダーフレームの下側のようす。

20190608m.jpg
輪軸が入るかどうか、確認しておきます。少し丸ヤスリを通しておく必要がありました。

20190608n.jpg
車軸が入って軽く回るのを確認。

20190608p.jpg
ここからは組説どおりに行かないので、現物確認しながら改軌作業を進めます。軸の左右動を防ぐため、右上の真鍮リング状の車輪スペーサというのを使うようになってますが、9mmゲージ仕様で使うものなので、コレに変わるものを考えます。二つの車輪座の間で軸がふらつかなければ良いので、ここでは内径2.6mm外径5.0mm0.3mm厚のワッシャをはさむことにします。エコーモデルさんのパーツはありがたいことです。

20190608q.jpg
組説に従って卓上バイスで車輪圧入を行います。組説の順序ではモーターはまだつけてはいけないようです。先に車軸と車輪を組んでコロガリ試験をしてからモーターを取り付けるのが正しい順序です。

20190608r.jpg
アナログノギスでバックゲージを測ってみました。9mmになっているようですが力のかけ過ぎで、軸から車輪が抜けてきてゲージが拡がりました。車輪と軸の圧入効果が改軌した分だけ効かなくなっているようです。
再度、圧入を行ってから瞬間接着剤を少し使っておきました。

20190608x.jpg
もう一度デジタルノギスで測ってみました。Traget値に近くて良い感じ。

20190608s.jpg
改軌下回りとりあえずできた。

20190608u.jpg
駆動軸の改軌の様子。

20190608t.jpg
全体。配線のハンダ付けとか集電シューとかまだです。

20190608w.jpg
工作台の試運転線HO-HOn3デュアルゲージ線路にのせてみました。

8Vで往復試運転動画。

20190608z.jpg
集電シューの取付。9mmゲージでは踏面に当てるようになっていましたが、途中で90°ひねりを入れて車輪裏に当てるように曲げ直しました。

20190608y.jpg
モーター配線もハンダ付けして改軌動力は完成とします。2.5V 0.05A くらいで起動します。


2019年06月08日 22:00 | コメント(0) | 1/87・10.5mm

2019年06月07日

西大寺キハ1 - 競作品開始

競作課題として、とりあえず西大寺キハ1に手をつけることにしました。

20190607a.jpg
ワールド工芸のキットです。キハ2のキットですが、車番1〜5のインレタも入っているので、競作のお題どおり「1」にします。

20190607b.jpg
動力系パーツとエッチング板。車軸カットなどは無しで10.5mmゲージ化できそうです。

20190607c.jpg
両端が車輪座という名前のパーツ、真ん中がモーターベースというパーツです。組み合わせ部と折り曲げのスキマにハンダを流して起きました。

20190607d.jpg
改軌するに当たって、動力系の寸法を測ってみます。そのまま組むと9mmゲージになるので、+1.5mmで10.5mmゲージ化出来ます。車軸の両側で0.75mmずつ拡げてやれば良いので、手持ちのワッシャから0.5mm厚と0.25mm厚を重ねて使うことにします。

20190607e.jpg
ミツトヨのアナログノギスで車輪径7.2mmのようです。

20190607f.jpg
プラの駆動軸へ車輪を圧入する方式です。

20190607g.jpg
各部を測って改軌方法をまとめました。拡げたときの Back to Back がNMRA S-4.2に合うかどうか計算。Targetが8.89mmで+側0.05mmですから8.94mmmで規格内です。

組説では、1あらかじめ車輪座パーツを先に塗装しておくように書いていますが、雨が降っているので今日はこれでやめときます。

続きを読む
2019年06月07日 23:00 | コメント(0) | 1/87・10.5mm

2019年06月06日

更新情報

高急グループWebページの更新を行いました。

20190606a.jpg
高急グループ→鉄道模型→模型工作→輪軸と線路の研究 です。研究と云っても今のところ各部の測定値を記録しているだけです。

20190606b.jpg
線路のページを追加しました。 しかし、研究と云うほど、線路の種類を置いているわけではありませんので、今残っているモノだけ記録しておこうという程度です。

とりあえず16.5mmのポイントから。
20190606r.jpg
ATLAS HO Right Hand Turnout
レール:CODE 83
フログ:4番

 G:16.7mm ○
 C:15.3mm △
 S:14.0mm △
 F:1.3mm ○
 H:1.2mm ○
 P:14.9mm ○
アトラスのHOスタータセットという線路だけのセットに入っているポイントです。正確な番手はわかりませんが、4番よりもキツイようです。これも微妙なところでS-3.2規格からはずれているポイントです。枕木は2〜4本おきに長くなっていきます。手動で転換できる装置がついています。

20190606s.jpg
KATO HO UNITRACK
レール:CODE 83
フログ:6番

 G:16.8mm △
 C:15.2mm ×
 S:13.6mm ×
 F:1.62mm ×
 H:1.3mm ○
 P:14.9mm ○
KATOのユニトラック6番ポイントですが、トングレールがプレス曲げの古い製品のため、トングレール下の枕木部分にプラ板で補強を入れています。ゲージは広め、フランジウェイも広めに作られており、S3-2規格には合わない項目が多いです。しかし、OOの車両も走れますので16番ゲージ用といえます。HOユニトラックという商品名ですが、パッケージにはHO-GAUGE と表記されており、HOscaleを名乗っていません。KATOさんはHO、HOscale、HO-GAUGEの3つの呼称をうまいこと使い分けて商売してますので、KATOさん的HOとしては構わないようです。

20190606t.jpg
WALTHERS Left Hand Turnout
レール:CODE 83
フログ:5番

 G:16.7mm ○
 C:15.4mm ○
 S:14.1mm ○
 F:1.2mm ○
 H:1.1mm ○
 P:13.5mm ×
WALTHERSのポイントはSHINOHARAの製造です。裏面にMADE IN JAPAN SHINOHARAの刻印があります。SHINOHARA製にしては基本レールの曲線が比較的美しくできているのですが、トングレールが長くてPの値が狭くなっています。フランジウェイは非対称になっています。微妙なところでS-3.2規格からはずれているポイントです。枕木は3〜4本おきに長くなっていきます。

このたった三種類のポイントは、厳密にはS-3.2に準拠していないので、NMRAのHOを名乗ることはできないでしょう。WALTHERSブランドのシノハラ製はPの狭いのは見かけは実物らしくないですが、模型走行に余り影響無さそうなので「準拠していることにしておこう」くらいは許されるかな。安くて便利なKATOポイントがNMRA Standard HO規格に全く準拠してないのはフログの見かけだけでもわかります。1/80日本型の狭幅車輪に対応するより、欧州の広幅車輪に対応する方が重要なのでしょう。しかしNEM110のフランジウェイmax1.3mmを超える1.6mmフランジウェイは何でしょう。NMRA S-4.3のDeep Flanges のT値は1mm以下なので、その対応でもなく、やっぱりOO規格対応でしょうね。あ、OOの輪軸規格ってどこかにあるのかなぁ。

三つの製品では「NMRA Standardに準拠したHOの線路がないこと」について言及することはできませんが、三つとも「NMRA Standardに準拠したHOの線路ではない」ことは確かなようです。

2019年06月06日 23:00 | コメント(2) | お知らせ

2019年06月05日

更新情報

所属クラブの公式ページ更新のお知らせです。

20190605a.jpg
規格のページからNEM310の日本語版へリンク設定しました。
更新履歴を設置しました。
URLは http://www.hojc.jp です。

20190605b.jpg
第20回国際鉄道模型コンベンションへの出展が決定しました。

2019年06月05日 23:00 | コメント(0) | お知らせ

2019年06月04日

旧国整備

6月2日の運転会でようやく周回運転ができるようになったJMの旧型国電です。

20190604a.jpg
適当な2両用の箱がないので、3両はいりそうなモデルワーゲンのキット箱に入れています。

20190604b.jpg
クモハ53 と クハ68400 です。ピノチオの古いキットを組んだものです。1989年竣工の記録。16.5mmゲージで作りましたが、最近になって走り装置関係を交換して13mm・1/80にしています。

20190604c.jpg
周回運転で2両の連結面間に使っているエンドウの「連結できる密連」が劣化してきているようで、走行中にはずれてしまう状況が発生しました。そこで信頼性が高いと期待する(まだ実績も少ないので期待)IMONの密連に交換することにします。

20190604d.jpg
エンドウのカプラーをはずします。30年間ご苦労さん。まあそんなに動かしてないですが…。
あれ、何か袋の番号と中身が違うな。穴径2mmのHO-265のはずだけど…。

20190604e.jpg
IMONカプラー やっぱりHO-265です。先頭に付けているのは旧型の密連です。1/80用のはずですが大きいなぁ。IMONで旧型の密連は発売される可能性は低そうです。

20190604f.jpg
カプラー交換しますが、胴受のスキマに入らないので、少しヤスリで削ります。

20190604g.jpg
クモハ53 カプラー交換出来ました。

20190604h.jpg
クハ68400 も交換しました。

20190604k.jpg
高さが合いません。床面高さがあってないようです。

20190604m.jpg
クハ68は車体枕梁を少し高めに交換することにしましょう。これはキットのパーツそのままピノチオ製でしょうかね〜?

20190604n.jpg
日光製の半端モノがあったので、ピノチオ製ははずして交換します。

20190604p.jpg
交換して台車を取付。

20190604q.jpg
こちらはクモハ53の乗務員室側台車です。排障器と車輪が接触しそうなので、間隔を保てるように調整しました。

20190604r.jpg
クモハ53の動力側です。車体枕梁の取付方法を変更し、ネジを車体内へから取り付けるようにしました。クハ68との高さも調整します。

20190604s.jpg
クモハ53は動力試運転して確認


20190604t.jpg
連結器は中心高さ880mmの1/80で11mmになっているか、若干高めのようです。この2両で編成を組めれば良いので、編成内で合えばOKとしましょう。

20190604u.jpg
JMのエンドレス線路がないので、周回運転ができません。
「初めに線路ありき」とか。 製品があるうちにエンドレス線路を買っとくかな…。

20190604w.jpg
参考にしたのはこの編成  飯田線 本長篠  1982年8月26日撮影

追記
JMの記号付けなくても「1/80」だけで良いはずですが、「日本の実物1067mm軌間の鉄道を1/80で作る模型」を主にやっている方たちがJMと呼ぶのを決められたようなので、それに合わせています。模型なので尺度だけでもいいかと思いますが、線路との関係がいろいろあるので、尺度だけでは線路を走れなくなる模型もあるところがややこしいです。

2019年06月04日 23:00 | コメント(0) | 1/80・13mm

2019年06月03日

「1/80もHOである」 と 「1/80はHOではありません」
を考える

 Giants of the West と題するブログでゲージや尺度や呼称について話題になっているようです。自分はGiants of the Westさんにはリンク設定をしていないし、自分の所属クラブメンバーで話題になったときなどに訪問して読ませてもらう程度というところです。Giants of the Westのブログ主さんとは大阪合運ではお目に掛かることはありますが、挨拶程度で深い話をしたことはありません。おそらく、こちらのブログは読まれてない可能性が高いと思います。
 Giants of the Westさんのブログに掲載された「Empirebuilder」というお名前の方からのコメントが、クラブメンバーでも話題になっています。遡ると1月頃から続いているようで半年くらいになるのですね。Giants of the Westのブログ主さんはOスケールを主にしておられることは存じておりますが、投稿されたEmpirebuilder氏はHOとHOn3を楽しんで来られたということだそうです。

 Empirebuilder氏のご意見では、NMRA Standardsに準拠することが前提で「1/80もHOであると考える根拠がある」が述べられています。
 この「1/80」が単純な縮尺値と考えるなら、NMRA Standardsにおいて「HO」は標準軌鉄道の模型のNAME OF SCALEなので、模型の軌間は1435mm÷80=17.94mmになります。もし実物1067mm軌間の鉄道を考えるとしても、模型の軌間は1067mm÷80=13.34mmになります。このような縮尺や模型軌間を持つ規格はNMRA Standardsの中に示されていないので、「1/80はHOではありません」になってすぐに終わります。

 ところで、論議になっている「1/80」には「16.5mm軌間の輪軸を使い、車体その他の部分を1/80でつくる車輛模型」という意味で使われている、と理解しています。
各者「1/80」とだけ書いて話が進められていて、とりあえずは通じているようですが、「16.5mm軌間の線路の上に、16.5mm軌間の輪軸を使い、車輪径や軸距、車体その他の部分を実物の1/80でつくる車輛を載せた鉄道模型も、NMRA Standards を根拠としてのHO」なのか、ということになるでしょう。16.5mm軌間となった経緯はいろいろあったわけですが、現在の解釈では、標準軌と呼ばれている4ft8-1/2inch=1435mm軌間の鉄道を、「1ftを3.5mmの割合として模型で作る」ときの軌間として使われるようになったわけです。この割合を3.5mmスケールと呼んでいますね。

 その16.5mm軌間の模型線路を利用して日本でも模型を作ろうということになったわけですが、「1ftを3.5mmの割合として模型を作る」ではなく、標準軌線路を3.5mmスケールで模型化した線路をうまく使って日本の鉄道を表現できるような方法として「16.5mm軌間の模型輪軸を使い、日本の国鉄型実物車輛の軌間以外を1/80でつくる車輛模型」が考え出されたわけです。で、この作り方の模型には何か呼び方をつけることは行われずに、外国型もやる人があるから、というので米国型や英国型も仲間に入れようと、本国で使われているスケールを取り入れ、その上に満鉄などの配慮も入れて、ほぼ同じ大きさになるような仲間全体を十六番と呼ぼう、というのが1942年に提唱されたものです。十六番は「他に良い名前が見付かったら是非お知らせ願いたい。」ということで始まりましたが、その後は他に良い名前を提案されることもなく、提唱者はこの仲間に付けた名前「十六番」を強く押し進めて行きました。しかし、模型の作り方については提唱者の考えが理解されていたにもかかわらず、この仲間に付けた名前「十六番」はあまり定着しませんでした。提唱者は「盛んになればなるだけ日本語の名前がほしい。」ということでしたが、盛んになっていったのは日本型だけで楽しんでいく模型で、しかもそれに日本語の名前ではなく米国型の規格名をつけられることが多くなりました。「16.5mm軌間の輪軸を使い、日本の国鉄型車輛の軌間以外を1/80でつくる車輛模型」には呼称を付けなかったのが大きな影響を及ぼしてきたと思われます。
 さてその「1/80もHO」なのか、ですが、NMRA Standardsで検討する場合、ネット上で参照できる最新版 S-1 General Overview(July 2004版) において、2段落目に、「スケール名、プロポーション、およびトラックゲージはS-1に記載されている」とあります。したがってS-1.1以下にあるGeneralの表がNMRA Standardsとして扱われることになります。次に「スケールモデル鉄道でプロト、標準、ハイフランジの三つのクラスの規格を提供する」とあります。標準クラスの「HO」の規格はS-1.2表(July 2009版)General Standard Scales で提供されています。「HO」には添え字がないので、標準軌鉄道を模型化するときのStandardsであるということでしょう。したがってTRACK GAUGEには、標準軌を3.5mmスケールで模型化したときの軌間となり、Gminとして16.50mm、Gmaxとして17.07mmが掲載されています。この数値を出すための根拠として実物標準軌間と3.5mmスケールから導き出されているといえます。「1ftを3.5mmの割合として模型を作る」が根拠の模型を「HO」と名付けているわけです。したがってS-1.2表のTRACK GAUGEだけを規格とし、それ以外の項目は規格でない、とするとTRACK GAUGEを導き出す根拠がなくなってしまいます。

20190603a.jpg

標準軌でない鉄道を「1ftを3.5mmの割合として模型を作る」場合は添字をつけようということで「HOn3」などと名付けています。実物3ft6inch=42inch=1067mm軌間を模型化するときのNMRA規格はS-1.2においてTTn42が掲載されています。この場合Scale to Footは標準軌用のTTと同じ1/10"です。

20190603b.jpg

ここからは仮説で考えてみます。

 TTn42の表現と同様にすると、HOで実物1067mm軌間の模型化するならHOn42となり、Scale to Footは標準軌用のHOと同じ3.5mmとなるでしょう。標準軌でない1067mm軌間の鉄道を「16.5mm軌間の輪軸を使い、軌間以外を1/80でつくる車輛を載せる模型」にすると、軌間からは「1ftを4.76mmの割合として模型を作る」になり、軌間以外の部分は「1ftを3.8mmの割合として模型を作る」となり、今のところS-1.2にはPROPORTION、SCALE TO FOOTとも記載されていない規格となってしまいます。

PROPOTIONが1:80となるものをS-1.2へ入れるにはHOとOOの間へ3.8mmスケールとして入れることになるでしょう。NMRA Standardsに準拠することが前提で「軌間16.5mmで軌間以外を1/80でつくる模型もHOである」とするならば、3.8mmスケールの値がS-1.2表に入っている必要があると思います。「軌間16.5mmで軌間以外を1/80でつくる模型もHOである」ならAlpha NumericがHOの行を2行にしてScale to Footに3.8mmを入れ、PROPOTIONに1:80を入れ、TRACK GAUGEにはGminとして16.48mm、Gmaxとして16.84mmをいれることになります。
HOですから標準軌鉄道の1/80ということで模型の軌間は17.94mmとなるはずですが、S-1.2表のTRACK GAUGEの規格値とは合わなくなります。
そして実物1067mm軌間の日本型も「軌間16.5mmで軌間以外を1/80でつくる模型もHO」に入れることになるので、S-1.2表に入れるとAlpha NumericはHOn42が入り、Scale to Footに3.8mmを入れ、PROPOTIONに1:80を入れ、TRACK GAUGEにはGminとして16.48mm、Gmaxとして16.84mmをいれることになります。
でこれもHOと呼んでしまうことにするわけで、実物が標準軌でない模型鉄道を添字なしHOで呼んでしまうのなら、NAME OF SCALEの意味づけが混乱するでしょう。

NAME OF SCALE       SCALE              TRACK GAUGE
Alpha    Common/   TO FOOT  PROPORTION  Min  Target  Max
Numeric  Fractional
-------------------------------------------------------------
OO       4.0mm    4.0mm    1:76.2     19.05  19.10  19.61
HO       3.8mm    3.8mm    1:80      16.50  16.54  17.07
HO       3.5mm    3.5mm    1:87.1      16.50  16.54   17.07
HOn42(HO)  3.8mm    3.8mm    1:80      16.50  16.54  17.07


 S-1.2表へ「軌間16.5mmで軌間以外を1/80でつくる模型もHO」を無理にでも入れるとするなら、LSやLSn3と同様に「Varied」を入れることになると思われます。しかし「Varied」であっても標準軌はLSで、3ft軌間はLSn3と分けられているので、やはり実物が標準軌でないものを添字無しで入れてしまうとLSとの整合もとれません。

NAME OF SCALE       SCALE              TRACK GAUGE
Alpha    Common/   TO FOOT  PROPORTION  Min  Target  Max
Numeric  Fractional
-------------------------------------------------------------
OO       4.0mm    4.0mm    1:76.2     19.05  19.10  19.61
HO       Varied    Varied    Varied      16.50  16.54  17.07
HOn42(HO)  Varied    Varied    Varied     16.50  16.54  17.07
HOn3      3.5mm    3.5mm    1:87.1      10.49  10.54  10.77

こうなるとHOはTRACK GAUGEのみの規格となり、ゲージのみの規格となってしまいます。しかもHOがVariedであるなら、HOn3の3.5mmスケールも根拠を失ってしまうことになります。NMRA Standards を根拠にして「1/80もHOである」を云う場合は、S-1.2表にVariedをちりばめた状態になってから、ということになるでしょう。

仮説検討終わり。

現実には「16.5mm軌間の線路の上で、16.5mm軌間の輪軸を使い、軌間以外を1/80でつくる車輛をのせる模型」は今のところ NMRA Standards S-1.2に取り入れられていません。現状はNMRA Standardsを根拠とすれば「1/80はHOではありません」です。NMRA Standards が日本の16.5mm 1/80模型も考慮に入れてくれて、何らかの対応をしてS-1.2を改訂してくれるようにはたらきかければどうにかなるでしょうか。

しかしながら「16.5mm軌間の線路の上で、16.5mm軌間の輪軸を使い、軌間以外を1/80でつくる車輛をのせる模型」はS-1.2表に基づかない模型として現に存在します。したがってNMRA Standards に準拠しない模型として、独自のNAME OF SCALE等を付けて線路輪軸規格も作ればよいと考えることができるわけです。そして「実物1067mm軌間の鉄道を3.5mmスケールで作る模型」もS-1.2表にはありませんので、NMRA Standards に準拠しない模型として、独自の規格を考えるしかありません。「実物1067mm軌間の鉄道を3.8mmスケールで作る模型」もそうですし、「実物1067mm軌間の鉄道を1/45で作る模型」も同様です。

 E氏は「最新の線路、車輪のNMRA規格を元にしている」ということなので、NMRA Standards S-3、S-4のことを考えておられるのでしょう。しかしS-1のことはまったく触れられてないので、NMRA Standards の範囲を限定的に捉えておられるように感じます。S-1.2の中にVariedをバラ撒くような形でなくて、「1/80もHOである」が規格として機能するような表になれば今後の進展があるかなと感じます。

今日はとりあえずここまで。

訂正 2019.06.09
仮説の文章の中で、TRACK GAUGEの数値が間違っていました。下線部をS-1.2表と同じ数値に訂正します。

訂正前、上記文から抜き出し
PROPOTIONが1:80となるものをS-1.2へ入れるにはHOとOOの間へ3.8mmスケールとして入れることになるでしょう。NMRA Standardsに準拠することが前提で「軌間16.5mmで軌間以外を1/80でつくる模型もHOである」とするならば、3.8mmスケールの値がS-1.2表に入っている必要があると思います。「軌間16.5mmで軌間以外を1/80でつくる模型もHOである」ならAlpha NumericがHOの行を2行にしてScale to Footに3.8mmを入れ、PROPOTIONに1:80を入れ、TRACK GAUGEにはGminとして16.48mm、Gmaxとして16.84mmをいれることになります。
HOですから標準軌鉄道の1/80ということで模型の軌間は17.94mmとなるはずですが、S-1.2表のTRACK GAUGEの規格値とは合わなくなります。
そして実物1067mm軌間の日本型も「軌間16.5mmで軌間以外を1/80でつくる模型もHO」に入れることになるので、S-1.2表に入れるとAlpha NumericはHOn42が入り、Scale to Footに3.8mmを入れ、PROPOTIONに1:80を入れ、TRACK GAUGEにはGminとして16.48mm、Gmaxとして16.84mmをいれることになります。

訂正後 下線部訂正
PROPOTIONが1:80となるものをS-1.2へ入れるにはHOとOOの間へ3.8mmスケールとして入れることになるでしょう。NMRA Standardsに準拠することが前提で「軌間16.5mmで軌間以外を1/80でつくる模型もHOである」とするならば、3.8mmスケールの値がS-1.2表に入っている必要があると思います。「軌間16.5mmで軌間以外を1/80でつくる模型もHOである」ならAlpha NumericがHOの行を2行にしてScale to Footに3.8mmを入れ、PROPOTIONに1:80を入れ、TRACK GAUGEにはGminとして16.50mm、Gmaxとして17.07mmをいれることになります。
HOですから標準軌鉄道の1/80ということで模型の軌間は17.94mmとなるはずですが、S-1.2表のTRACK GAUGEの規格値とは合わなくなります。
そして実物1067mm軌間の日本型も「軌間16.5mmで軌間以外を1/80でつくる模型もHO」に入れることになるので、S-1.2表に入れるとAlpha NumericはHOn42が入り、Scale to Footに3.8mmを入れ、PROPOTIONに1:80を入れ、TRACK GAUGEにはGminとして16.50mm、Gmaxとして17.07mmをいれることになります。


続きを読む
タグ:HO NMRA
2019年06月03日 23:00 | コメント(0) | 模型一般