2015年03月15日

試作試走

TMSに掲載された「2軸貨車にてんびん棒イコライザを組み込んでみた」の記事ですが、関係ブログやコメントで話題になっているようです。試作された方は記事と同じ16.5mmゲージのようですが、12mmゲージで作ってみました。

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コレが見つかったので、試作してみようという気になったのです。
PEMPプラ貨車の単軸台車です。軸受はフクシマのピボット軸受に改造、輪軸はスポーク車輪ピボット軸です。

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二つの単軸台車を平行に組むために、手近の木片で治具をつくりました。
ホイールベースはワム90000など3900mmの1/87で44.8mmですが、ケガキや工作の誤差0.3mm程度はあると思われます。

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記事と同じ写真の状態です。
ゲージとホイールベース以外は記事通りの寸法・材料で作ってみました。枕梁に当たる線は0.5mm径真鍮線、ねじりバネ部は0.5mm径燐青銅線、バネ根元は0.8mm厚真鍮板4mm×10mmで1.6mm径の穴をあけています。

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厚さ2mmの透明アクリル板に取り付けて見ました。アクリル板の大きさはPEMPワム90000の床板に合わせています。

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輪軸を入れて動作テスト。1輪のみを0.8mm厚真鍮板の上に乗せてみた。

運転ボードのR420悪路エンドレスを走らせててみました。

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単軸台車がフリーの状態では、触っているうちにねじりバネが歪んできて、2軸の平行が怪しくなってきます。アクリル三角棒で台枠側板の梁を取り付けました。線路に乗せて上から見るとこんな感じ。

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IMONのHO-101連結器もつけました。床板位置がかなり高いので、1mm厚のスペーサーをかましてカプラーヘッドの高さを合わせています。

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さて凹凸での挙動がどうなるのか。
とりあえずシノハラ6番分岐のフログでの様子です。

記事では脱線予防の効果を期待されているように書かれているのですが、このような動きで良いのかどうかはわかりません。

タグ:HOn3.5
2015年03月15日 23:58 | コメント(9) | 模型技法
この記事へのコメント
なかなか調子がいいですね。まあ、脱線に関しては他にも様々な要素が絡みますから、軸箱可動の一方式として、よろしいのではないでしょうか。それにしても手がお早い。
Posted by ワークスK at 2015年03月16日 04:07
ヤマさんも試作されたのですね
TMSの小林さんの記事では単軸台車の動きをフリーにしておくように書かれていますが、側梁などと軽く接触させておいた方が摩擦式ダンバーとなって、振動が減衰してよいと私は思います。
Posted by ゆうえん・こうじ at 2015年03月16日 21:35
ほぼ記事どおりですね。
悪路での走行は、案外フワフワ感も無いので良さそうですね。

フログでの落ち込みは、可動式の場合仕方無いと思います。本来、フランジウェイを狭くするべきなのですから。とは言え、現実は落ち込む組合せでも、なんとか走行させる必要が多いのが日本型の宿命(本当か?!)です。KATO方式があまり落ち込まないのは、バネが下方向に伸びきった位置を基準としているからでしょう。本方式は、どちらにでも設定出来ると思いますが、恐らく車体が沈みきった位置が基準になっているのでしょうか?

どちらを基準にするのかは、線路状態によるかと思います。良く有る例として、蒸機の軸バネは、伸びた位置が基準になっている例がほとんどです。フログに落ち込みにくい設定ですね。
Posted by 廣瀬 at 2015年03月16日 22:57
ワークスKさん>
バネ材がうまくマッチングすれば調子よく走るみたいです。連結編成したらどうなるか、まだやってないのでわかりませんが。
作るだけならそんなに時間がかかるものでもなさそうです。材料探しや写真撮ったり動画撮ったりしてると時間かかってます。

ゆうえんさん>
これは参加しないでスルーしておこうと思っていたのですが、単軸台車の中古ストックを見つけたので、急に思い立って作ってみました。
側梁がないと自由度がありすぎだと思われます。単軸台車がバネ根元から扇形に動いてしまうようです。
Posted by ヤマ at 2015年03月16日 23:26
廣瀬さん>
改善点とか良くわからないので記事通りです。もっと不安定なのかと予想してましたが、わりといい感じで走ります。シノハラポイントで落ち込むのは仕方ない、というか落ち込む位置で止めているのですが。落ち込んでも通過出来れば運転に支障は無いと思います。IMONポイントではどうでしょう。
KATO方式はKATOの貨車を持ってないので良くわからないのです。
Posted by ヤマ at 2015年03月17日 01:51
恐らく、小林さんの試作品は、バネは車重に対しては「硬い目」だし、上下方向の変位は、必要量に制限しているので、不安定になりすぎる事は無いように、調整された結果かと思います。その上、外観をほとんど犠牲にしなくて済む、という大きなメリットが有ります。

落ち込みの問題は2つで「脱線」と「不愉快な揺れ」はでしょうか? バネを通常時で下に伸びきるような「堅さ」・「初期たわみ」にしたら、落ち込みは減りますが、他の問題が気になるかも知れません。例えば、静止状態で、各パーツに、見栄えの悪い隙間が出来るとか・・・
薄い車輪で脱線しないように、となると。やはり非可動に軍配が上がります。しかし、これ以外の変位のうち何に対処したいかで、パラメータが変わるのかも知れません。
Posted by 廣瀬 at 2015年03月18日 03:24
廣瀬さん>
たしかに、バネは少し硬めな感じがします。記事通り0.5mm径で作りましたが、枕梁、バネとも0.4mm径でも良いかもしれません。しかし、あまり軟らかいと揺れが止まらないかもしれません。バネ材の選定と寸法が重要ですね。
落ち込み問題のうち、「不愉快な揺れ」は許容範囲もありますので、「脱線」しなければヨシとしてはどうかと思います。
Posted by ヤマ at 2015年03月18日 23:01
廣瀬さんの書かれていることを読んで疑問に思ったのですが、
TMSに掲載された小林さんのオリジナルでは、床板と単軸台車は単軸台車上面の真鍮線の枕で接しているので、垂直方向の弾性はないと思います。線バネは専ら台車の捻りと車体のローリング方向にのみ復元力として働くので、車重とはあまり関係ないし、下に伸びきってしまうと台車に捻れ方向の力が入っておかしいと思います。オリジナルでは、4つの車輪が同一平面上にあるときバネは撓んでいなくて弾性力はゼロの状態のはずです。
Posted by ゆうえん・こうじ at 2015年03月19日 01:43
ゆうえんさん
スミマセン、分かりにくいコメントでした。

KATOのバネが、静止時はほとんど伸びきった方向でストッパーが掛かっている状態(良く有る軸バネ入り蒸機と同じ)にバネ強さと初期形状が選定されています。ストッパーに当たっているので、少し応力が掛かった状態です。

小林さんの方式は、記事の状態では、静止時は枕で上下方向を規制して、バネで傾かないようにしているのですが、これをKATOと同じような調整位置にしたら、フログでの落ち込みが軽減されるでは無いか? というコメントでした。

ちなみに、KATOのは、ワム90000で、静止状態ではほとんどバネは撓みません。僅か(0.2mm程度)に沈んでいる場合が有る程度です。しかし、実に絶妙で、0.8mm程度の段差が上下どちら向きでも、4輪の接地が確認できます。もちろん、軸重は均一では無いと思います。すなわち、1輪持ち上げても、3輪持ち上げても、接地しています。絶妙すぎて、自作できるとは思えません(笑)なので、フログでの落ち込みが「無い」と云うわけでは有りません。しかし動的には、4輪固定なら、フログ手前で停止しない限り、落ち込む前に通過してしまう状態なわけで、KATOのはこれに近いです。

KATOの方式は、軸が上がる方向と下がる方向でバランスするカラクリが同一では無い事によります。軸が上がる方は、主に1箇所のバネを押し上げて、安定状態に移行しますが、1軸下がる方向は、車体がその1軸に傾いていって、他の3軸のバネがバランスする位置に撓んで安定するのですが、車体に慣性力が有るため、傾ききる前に、フログを通過してしまうことになります。

上下に同じカラクリで動くイコライザの場合や、軸を押し下げるバネの場合は、落ち込む方向に慣性力が少ないので、瞬時に落ち込みます。
Posted by 廣瀬 at 2015年03月20日 01:49
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