2021年11月20日

廃線跡探訪

びわ湖鉄道歴史研究会へ参加しました。会場は大津市生涯学習センターです。

計画は練っていたのですが、出発時刻の関係などで実行に移せなかった「江若鉄道近江舞子廃線跡探訪」へ出かけました。湖西線ダイヤを作って時間帯などを検討していましたが、出かけてみると山科駅の案内板で遅れ情報がいっぱいです。こうなると所定ダイヤで書いたものは役立たないので、もう関係なく来た電車に乗っていくことにします。

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外側線をサンダーバードが通過 11号のようだ

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9:51発の新快速敦賀行きが35分遅れでやってきた 10:25乗車


本日の目的地を湖西線電車から撮影、パノラマ風に画像結合してみました。
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江若鉄道画が走っていたところを橙色線で表示、目的地は赤矢印の橋です。
クリックすると横1270ピクセルの画像になります。

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近江舞子駅下車10:48

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近江舞子駅の位置は、江若鉄道の線路跡を利用しています。国鉄駅は元の江若鉄道の駅より少し北寄りに作られているようです。

地図と空中写真で確認してみましょう。
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昭和3年8月30日発行 1:50000 北小松
近江舞子駅は大正15年(1926)8月11日開業時の駅名は「雄松」、昭和4年(1929)8月に近江舞子へ改称しました。この地図は昭和3年発行なので、まだ「雄松」時代です。 なお、右書きで「つまを」となっています。近江舞子南口駅は昭和28年の開業なので、まだありません。
比良からまっすぐ線路を敷かずに集落や内湖を避けながら、等高線湖岸近くに沿ってしかれています。

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昭和22年(1947)11月3日 米軍撮影 近江舞子
左上から右の琵琶湖へ流れ込むのは比良川です。河床が高く堤防も高いのですが、天井川というほどでもない半端な高さの川で、川の戦後は10‰の勾配となって鉄橋で越えています。

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現役当時の客車列車 昭和43年(1968)8月18日撮影
 近江舞子南口−近江舞子 線路の両側は稲作が行われていました。

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上と同じ客車列車 昭和43年(1968)8月18日撮影
 右へカーブすると近江舞子駅です。場内信号機が見えます。

近江舞子南口駅から近江舞子駅まで線路の犬走りを歩きました。田んぼの中は歩けないので、安全に歩けるところは線路しかないのです。これを撮っている場所は小さな川の土手です。
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この川を渡る鉄橋を撮っていました。 昭和43年(1968)8月18日撮影
川を渡る橋はこれしかないので、自分もここは線路の枕木を渡ったと思われます。

その後昭和44年(1969)10月31日、江若鉄道は廃止され国鉄湖西線が開業、高架高規格線路は比良からまっすぐ近江舞子へ敷かれ、湖岸に沿った線路は道路として整備されました。

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Yahoo 空中写真より
線路跡の道路は直線で近江舞子駅へ向かわず、途中から急角度で向きを変え湖西線側へ向かっています。内湖と道路に挟まれた部分は京阪電鉄が土地を入手しましたが、50年にわたり工事の手などが入らず自然のまま荒地状態で放置されていました。 写真で「湖西線」の文字が入っているあたりが、江若鉄道近江舞子駅でした。 赤丸印のところが、自分の撮影した鉄橋の場所です。

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放置されていたこの場所を、昨年から整備してグランピング施設にする工事が始まりました。「エバーグレイズ琵琶湖」という名称がつけられています。上の写真は施設のウェブサイトに、開発前写真が掲載されていたものです。上から見ると線路跡がくっきりとわかりますが、地上では自然放置の荒地なので、足を踏み入れられるような状態ではありませんでした。
赤矢印が撮影地の鉄橋位置です。

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開発の工事が入り、線路跡はなくなってしまうだろうと思われていたのですが、完成した施設を湖西線上から見ると、撮影地の鉄橋は何と再利用されていたのです。
奥の方の橋で、線路跡の路盤を通路に使用しているようです。

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Google 空中写真より
2021年4月に「エバーグレイズ琵琶湖」が開業しました。赤丸印が件の鉄橋跡です。

前説が長くなりましたが、この現場を見に行くのが今日のミッションです。
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近江舞子駅から施設へ向かって歩きます。
江若鉄道は湖西線高架下を走っていましたが、写真右端の架線柱当たりから左へゆるくカーブして湖岸側へ向かっていました。

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施設前に到着

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施設前から近江舞子駅方向見る
荒地だった土地は整備されてグランピング施設になりました。土曜日に訪れましたが、自動車も多くて、かなりの利用者があるようです。しかし、この中を50年前に鉄道が走っていたと知る人も少なかろうと思われます。

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線路鉄橋跡は人道橋が掛けられています。橋台は自分が撮影したときのそのまま利用されているようです。高さ調節のスペーサが入っています。
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比較確認のため再掲

間違いなく江若鉄道遺構として認定しましょう。(自分だけでヨシ!?)
おそらく建設時から変わってないと思われるので、近江木戸〜雄松間開業の大正15年(1926)8月から使用されていたものでしょう。2021年で95年の歴史遺産となります。

これで自己満足して、研究会へ向かいます。
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近江舞子駅待ち時間に特急通過

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びわこ号色塗装 604−603  京阪大津京駅

乗車記録
醍醐10:04東西線5513山科
山科10:25新快速クモハ224-2近江舞子
近江舞子11:52普通モハ113-7705大津京
京阪大津京12:40石坂線603膳所本町
膳所本町16:10石坂線706びわ湖浜大津
びわ湖浜大津16:24京津線804京阪山科
山科16:45東西線5203醍醐

2021年11月20日 23:00 | コメント(0) | お出かけ
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