2012年03月21日

電池式パワーパック改造

  何とか壊れずに使えていますが、やはり安全のため保護回路を組み込むことにしました。まずはVcc=12Vでどのくらい電流が流れるか実験です。電池はアルカリ単三を8本使いました。まったくの新品です。

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クリップコードでゴチャゴチャと接続。負荷はキドマイティモーターです。

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電源入力電圧は12Vです。

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最大出力でキドマイティを回します。モーター端子間電圧は11V、電流は0.1A未満です。

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過負荷テスト。モーターを手で押さえて止めます。電圧は9.5V、電流は0.3Aです。

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モーター端子間をクリップコードでショートします。瞬間に針が振り切れて3A以上流れます。
この写真は出力電圧を下げて、2SD234のIc=3Aを超えないようにして撮っています。トランジスタの発熱は相当で、近くに手をかざすだけで熱気があります。放熱板もつけてないので、かなり危険な状態と思われます。アルカリ電池の電流容量はかなりなものです。内部抵抗も少ないでしょう。

さて、保護回路付きに設計変更ですが、トランジスタも変更することにしました。手持ちから探してきて、出力段は7A40Wの2SD553、制御段は0.15A0.4Wの2SC1815です。保護回路は主回路に直列抵抗を入れて、発生した電圧でVbeをオンにし、制御段のIbを分流する方法です。
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先に主回路を作ってから、保護回路の実験です。空中配線のクリップコードだらけでわかりにくくなっていますが、右下が電流制限を設定する抵抗です。この写真では0.5Ωをつないでいます。出力トランジスタの2SD553には放熱板もつけておきました。

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まずは通常使用ができるかテスト。ショート実験で電池の電圧が少し低下してきました。Vcc=10.5Vくらいになり、Voutが9.5Vくらいです。キドマイティの電流は0.1A以下です。

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モーター端子間をショートして出力を上げます。保護抵抗0.5Ωで保護回路トランジスタをオンにする0.6Vを発生するので0.6V÷0.5Ω=1.2Aで保護回路が効いて制限がかかります。これ以上は流れません。
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ショートしたときの電池の電圧です。7Vくらいに下がっています。

保護抵抗を1Ωでも実験してみましたが、制限電流0.6Aくらいになります。これだと通常使用に支障がでそうなので、0.5Ωでいくことにしました。2SD553のスペックからだと余裕です。

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回路定数が決まったので、保護回路も組み込んで改造出来上がりです。

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回路図を清書しました。

さて、電池パワーパックでどのくらいの車両を動かせるでしょうか。
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1/80 宮沢模型製品のED77です。タテ型モーター2個入っています。電池の電圧がだいぶ下がってきていますが、7V、0.6Aで動いています。これで最大出力なので、これ以上電圧は上がりません。機関車は無負荷での実験ですから、線路に乗せて客車などを牽くのはちょっと無理な感じです。

目的としてはキドマイティ入りのHOナロー車両が制御できればよいので、電池でも数時間の運転は可能ということですね。あと2個くらい作るように要望されていますが、このフロッピーケースはもうないのでどうしたものか。


タグ:電源
2012年03月21日 23:56 | コメント(2) | 模型一般
この記事へのコメント
学生用の教材としては丁度良いですが、生産するときは、可変レギュレータとポリスイッチがお手軽だと思いますよ。
筐体は100円ショップのタッパではどうでしょうか。
Posted by harashima at 2012年03月23日 23:46
コメントありがとうございます。
学生時代から置いてあるパーツを使って作ろうとしたので、その時代の回路になってしまいました。
Posted by ヤマ at 2012年03月24日 09:34
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